白血病治療の「末梢血移植」血縁者以外も

骨髄移植推進財団は、白血病治療のため、健康な人の血液(末梢(まっしょう)血)から血液のもとになる造血幹細胞を取り出して患者に移植する「末梢血幹細胞移植」について、控えていた非血縁者間の移植を今年10月から実施する方針を固めた。

末梢血移植は、海外では白血病治療の主流となっているが、国内では2002年に提供前に幹細胞を増やす薬の注射を受けた女性(63)が急性骨髄性白血病を発症して死亡。薬の安全性に懸念が示され、移植は血縁者間に限定されていたため、年間500件前後にとどまっている。

このため、厚生労働省研究班などは、幹細胞を提供した3264人を最長5年間追跡調査。その結果、白血病の発症例はなく、「薬と白血病の因果関係は否定できる」と結論づけた。

財団は厚労省の了承を得た後、運営する日本骨髄バンクの登録者(約36万人)の中から提供者を選定。年内は5〜10施設に限定して1〜2件を実施する。来年は15〜20件を実施する方針で、5年後以降は160施設体制で、非血縁者間の骨髄移植(年間約1200件)並みの移植を目指す。

研究班の宮村耕一・名古屋第一赤十字病院部長は「現在は骨髄バンク登録患者の4割しか移植を受けられていない。実現すれば、大きな前進」と話している。(2010年4月8日03時05分 読売新聞)

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