米国食品医薬品局(FDA)は2026年10月2日、BTK阻害薬「ピルトブルチニブ」(製品名ジャイパーカ)を、未治療の慢性リンパ性白血病(CLL)・小リンパ球性リンパ腫(SLL)の患者さんに使うことを承認しました。対象は17番染色体の一部欠失(17p欠失)が知られていない方です。
標準的な化学免疫療法と比べて病気の進行を大きく抑制
CLLは成熟したリンパ球ががん化する白血病で、ゆっくり進むことが多い一方、長く病気とつきあっていく必要があります。BTK阻害薬は、がん細胞が増えるためのシグナルを伝えるBTKという分子の働きを妨げる飲み薬です。ピルトブルチニブは日本では2026年2月に、他のBTK阻害薬が効かなくなった、または副作用で続けられなくなった再発・難治性のCLLに対してすでに承認されています。今回の承認の根拠となった試験(BRUIN CLL-313)には282人が参加し、ピルトブルチニブと、点滴の化学免疫療法であるベンダムスチン+リツキシマブ療法を比べました。病気が進行しないまま過ごせた期間の中央値は、化学免疫療法群が33.5か月だったのに対し、ピルトブルチニブ群ではまだ到達しておらず、ハザード比は0.20でした。これは、進行または死亡のリスクがおよそ80%低いことを意味します。よくみられた副作用は上気道感染、発疹、新型コロナウイルス感染症などでした。
治療の早い段階から使える選択肢に
再発した後の治療薬として位置づけられてきた薬が、最初の治療から使えるようになることは、治療の組み立て方を広げることにつながります。1日1回飲む薬で、病気が進行するか副作用で続けられなくなるまで服用します。今回は米国での判断であり、日本で未治療の患者さんに使えるかどうかは、今後の国内での審査次第となります。
出典:PMDA「承認品目一覧(新医薬品:2025年4月~2026年3月)」
2月にご紹介した期間限定の併用療法に続き、CLLの最初の治療の選択肢がまた一つ広がりました。続けるタイプか、区切りのあるタイプか、選べる時代になってきたのは心強いですね。どの治療が自分に合うのかは、ぜひ主治医とご相談ください。