抗生物質についての間違った認識

白血病の治療の成否は、感染症への対策につきると言われることがある。白血病の化学療法を行うと、白血球が激減し感染症に対する抵抗力が落ちるからである。そのため、熱が上がると感染症を抑えるために抗生物質を投与されることが多い。

さて、抗生物質は普段の生活においても風邪をひいたときとかにも処方され、よく感染症に対する「万能の薬」と勘違いをしていて、お医者さんに「どうして抗生物質をくれないのですか?」と詰め寄る人が多いのも事実みたいだ。
抗生物質は、細菌を殺すことができても、ウィルスをやっつけることはできない。
ウイルスというのは細菌より小さな生き物で、単独で増えることが出来ないのだが、巧みに正常な細胞に入り込んで、その細胞の栄養分や細胞分裂を利用して増えるのである。
抗生物質は、正常な細胞を壊す機能はないのだから、細胞の中に潜んだウィルスをやっつけることができないのである。

風邪の9割以上はウイルス感染で起きるとされるので、この場合は抗生物質は治療に効果がないということである。「じゃあ、どうして医者は風邪のときに抗生物質を処方するの?」風邪の症状が強い場合、ウイルスなどで粘膜がやられていると、そこに細菌がくっついて増殖し、感染が起こる。

細菌感染の合併症が起きると、無色だった鼻水が黄色くなり、白かったたんも黄色くなる。へんとうも痛み出して、白や黄色く覆われたりすると細菌感染している証拠。細菌感染でうみが出ている状態だ。そうなると、症状が悪化していく。

前述のとおり、風邪のウイルスには抗生物質は効果はないが、細菌感染まで進むと、症状を改善するために抗生物質の投与が必要になるから、そういう場合に医師は抗生物質を投与するのです。

長々と書いてしまったのだが、私の周りにも頭痛に抗生物質が効くと思い、以前に使い残した抗生物質を飲むというような勘違いをしている人がいるので、ここで抗生物質についての正しい知識を、ということで書いてみた。

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