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米国のセント・ジュード小児研究病院は2025年11月3日、小児の高リスク急性骨髄性白血病(AML)の一つである「UBTF遺伝子縦列重複(UBTF-TD)型」が、どのような仕組みで病気を引き起こしているのかを解明したと発表しました。成果は学術誌Blood Cancer Discoveryに掲載されています。

重複した部分が「異常な運搬の目印」に

UBTF-TDは、UBTFという遺伝子の一部が繰り返し重複している状態で、治療が効きにくく再発しやすい、子どもの高リスクAMLの原因となることが知られています。

研究チームは、この重複部分が細胞内でタンパク質を運ぶ仕組みに関わる「異常な運搬の目印」として働き、核内輸送タンパク質エクスポーチン1(XPO1)が結合する取っ手のような役割を果たしていることを突き止めました。この結びつきによって、UBTF-TDタンパク質が白血病に関わる遺伝子に引き寄せられ、それらの遺伝子が異常に強く働いてしまうといいます。患者さん由来の細胞を用いたモデルでは、エクスポーチン1を阻害する薬が腫瘍を減らしました。また、これまでの研究でメニン阻害薬が効く可能性も示されています。

患者さん・ご家族にとっての意味

研究チームは、今回の成果が、治療の難しいこの小児がんのタイプに対して、仕組みに基づいた複数の治療戦略を示すものだとしています。病気がなぜ起こるのかがわかると、どの薬を試すべきかという道筋が見えてきます。

現時点では研究段階の成果で、実際の治療に結びつくには臨床試験での確認が必要です。それでも、患者数の少ない小児の難治性白血病にも、確かな研究の光が当てられていることを心強く思います。

出典:St. Jude Children’s Research Hospital「Abnormal transport signal on mutant UBTF gene drives high-risk acute myeloid leukemia」


患者さんの数が少ない病気ほど、研究が進みにくいといわれます。そんな中でも一つひとつ謎を解き明かしていく研究者の姿勢に、温かい希望を感じました。

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