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2023年3月10日、国立がん研究センターは、東京大学や米国コロラド大学などとの国際共同研究で、悪性度の高い急性白血病の原因となる融合たんぱく質が、白血病細胞の増殖を支える仕組みを解明したと発表しました。成果は2月8日に学術誌Nature Communicationsに掲載されています。

MOZ/MORF融合たんぱく質がDNAに結びつく仕組み

一部の急性白血病では、染色体の転座によってMOZやMORFという遺伝子がほかの遺伝子とつながり、異常な「融合たんぱく質」がつくられます。このタイプの白血病は悪性度が高く、予後が厳しいことが知られています。研究チームは、この融合たんぱく質が「WH1」「WH2」と呼ばれる構造を使って、メチル化されていないCG配列が豊富な遺伝子のプロモーター領域に結合し、遺伝子のスイッチを入れていることを明らかにしました。これにより、白血病細胞は悪性度を保ったまま自己複製を続け、がん細胞を次々に生み出していくと考えられます。

治療が難しい白血病への分子標的薬開発に期待

研究チームは、融合たんぱく質とDNAとの結合が治療の標的になりうるとしています。この結合を妨げる薬が開発されれば、現在の治療では予後が厳しいタイプの白血病に対して、新しい治療法につながる可能性があります。まだ基礎研究の段階ではありますが、難治性白血病が増え続ける根本的な仕組みに迫る成果です。研究には、カナダのラバル大学なども参加しました。こうした国際的な協力によって、白血病の仕組みの解明が着実に進んでいます。

出典:国立がん研究センター プレスリリース(2023年3月10日)白血病細胞が悪性度を維持しながら増殖するメカニズムを解明


病気が「なぜ治りにくいのか」がわかることは、新しい治療を生み出すための大切な出発点です。日本の研究チームによる成果が、将来の治療につながっていくことを期待しています。

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