米国食品医薬品局(FDA)は2024年10月29日、新たに診断された慢性期のフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(CML)の成人患者さんに対し、ノバルティスのアシミニブ(製品名:セムブリックス)を迅速承認(accelerated approval)しました。
既存の4種類の薬と比べた試験で優れた結果
CMLは、BCR::ABL1という異常なタンパク質が原因となる白血病で、その働きを抑えるチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の登場によって、飲み薬で長くコントロールできる病気になりました。アシミニブは、従来のTKIとは異なる部位に結合してBCR::ABL1の働きを抑えるタイプの薬です。
承認の根拠となったASC4FIRST試験では、405人の患者さんを、アシミニブを飲むグループと、医師が選んだ既存のTKI(イマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、ボスチニブのいずれか)を飲むグループに分けて比べました。48週時点で白血病の遺伝子量が十分に減った状態(分子遺伝学的大奏効、MMR)に達した割合は、アシミニブ群68%、比較群49%でした。イマチニブと比べた層では69%対40%と差がより大きくなっています。主な副作用には、筋骨格系の痛み、発疹、疲労、上気道感染、頭痛、腹痛、下痢が挙げられています。
患者さん・ご家族にとっての意味
迅速承認は、早い段階の効果の指標をもとに認められる仕組みで、今後さらに臨床的な利益を確かめることが条件とされています。それでも、初回治療の段階から新しいタイプの薬を選べるようになったことは、CMLの治療選択肢を広げる大きなニュースです。
今回は米国での承認で、日本での使い方は国内の承認内容によって異なります。CMLの治療は長く続くため、効果と副作用のバランスを主治医と相談しながら決めていくことが大切です。
出典:FDA「FDA grants accelerated approval to asciminib for newly diagnosed chronic myeloid leukemia」
毎日薬を飲みながら仕事や家庭生活を続けている方にとって、選べる薬が増えることは安心につながりますね。CMLと長く付き合っていく皆さんの毎日が、より穏やかなものになるよう願っています。