米国血液学会(ASH)は2025年12月6日、年次総会で発表される注目研究の一つとして、米マイアミ大学シルベスター総合がんセンターの研究グループによる「ACCESS試験」の結果を紹介しました。HLA(白血球の型)が複数の座で一致しない非血縁ドナーからの移植でも、移植後1年時点の成績が損なわれなかったという内容です。
移植後シクロホスファミドでGVHDを予防
造血幹細胞移植では、患者さんとドナーのHLAの型がよく一致しているほど、移植片対宿主病(GVHD)などの合併症が起こりにくいと考えられてきました。この試験では、移植後にシクロホスファミドという薬を使ってGVHDを予防する方法を用い、HLAの一致度が異なる非血縁ドナーからの移植を受けた成人268人を前向きに調べました。
8項目中7項目が一致したドナーからの移植を受けた183人と、8項目中4〜6項目が一致したドナーからの85人を比べると、1年生存率は79%と86%、GVHDも再発もなく生存している割合は51%と55%でした。6か月時点のグレード2〜4の急性GVHDは39%と34%、中等症以上の慢性GVHDは11%と8%で、不一致の数が多いグループで成績が悪くなる傾向はみられませんでした。
患者さん・ご家族にとっての意味
研究グループは、この方法により、祖先や人種にかかわらず「ほぼすべての人」が移植の機会を得られるようになるとし、人種的マイノリティの患者さんではドナーが見つかる可能性が約29%から99%に広がると説明しています。
これは米国での研究で、日本のドナー事情や移植の方法とは異なる点もあります。また1年時点の結果であり、長期的な成績は今後の報告を待つ必要があります。それでも、ドナー選びの幅を広げる研究は、適合するドナーがなかなか見つからない患者さんにとって大きな希望です。
「自分に合うドナーが見つからなかったらどうしよう」という不安を抱える方は少なくないと思います。移植の扉をより多くの人に開こうとする研究が進んでいることを、年の終わりに明るいニュースとしてお届けできてうれしいです。