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広島大学は2025年5月22日、原爆放射線医科学研究所の一戸辰夫教授、嬉野博志准教授(現・佐賀大学)らの研究グループが、湧永製薬と共同で開発を進める化合物「(R)-WAC-224」が、ベネトクラクスに耐性となった急性骨髄性白血病(AML)にも効果を示す可能性があると発表しました。成果は5月8日に学術誌Scientific Reportsに掲載されています。

耐性の鍵となるMCL-1を分解に導く

ベネトクラクスは、がん細胞が生き延びるために使うBCL-2というタンパク質を抑える薬で、アザシチジンなどとの併用により、AMLの治療で重要な役割を担っています。しかし、使い続けるうちに効かなくなる「耐性」が問題になることがあります。

研究グループは、ベネトクラクスに耐性となった白血病細胞が、MCL-1という別の生存タンパク質を過剰に作っていることを突き止めました。(R)-WAC-224はこのMCL-1の分解を促し、細胞死を誘導します。マウスを使った実験では、ベネトクラクス、アザシチジン、(R)-WAC-224の3剤を組み合わせた治療が最も高い効果を示しました。また、既存の薬に比べて心臓や消化管への毒性が低い傾向も報告されています。

患者さん・ご家族にとっての意味

ベネトクラクスを含む治療は、強い抗がん剤治療が難しい高齢の患者さんなどにも広く使われています。そうした治療が効かなくなった後の選択肢を増やすことは、大切な課題です。研究グループは、高齢の患者さんを含む治療が難しいケースの予後改善につながることを期待しています。

現段階は動物実験までで、研究グループは2〜3年以内の臨床試験開始を目標にしているとのことです。実際の治療として使えるまでには時間がかかりますが、日本発の白血病治療薬を目指す取り組みとして注目したいところです。

出典:広島大学「既存の治療薬が効かなくなった白血病にも効果がある新しい白血病薬の開発を推進。〜日本発の白血病治療薬を目指して〜」


「薬が効かなくなったら次はどうなるのだろう」という不安は、治療を続ける中で多くの方が抱くものだと思います。その先の選択肢を用意しようとする研究者の努力に、心から感謝したいです。

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