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国立がん研究センターは2024年7月11日、成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)などT細胞のがんを対象とした「CCR4標的CAR-T細胞療法」について、同センターと米ペンシルベニア大学が持つ特許の実施権を、同センター認定ベンチャーのARC Therapies株式会社に許諾する契約を結んだと発表しました。これにより、臨床開発に向けた動きが本格的に始まります。

ATLLの細胞表面にある「CCR4」を狙う

ATLLは、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)の感染が原因で起こる血液がんで、日本に多い希少がんです。造血幹細胞移植以外に治癒に至る治療法がない、予後の悪い病気とされています。

CCR4は、主に皮膚に移動するリンパ球の表面にある受容体で、ATLLのほか、末梢性T細胞リンパ腫や皮膚T細胞リンパ腫の細胞表面にも現れます。CCR4を標的とした抗体薬モガムリズマブは既に承認されており、ATLLの急性型・慢性型の治療に有効性が示されていますが、再発が依然として課題です。今回のCAR-T細胞療法は、患者さん自身のT細胞に遺伝子を導入してCCR4を目印に腫瘍を攻撃させるもので、効果が長く続くことが期待されています。ARC Therapiesは2022年5月に設立され、この治療候補の研究開発に取り組んでいます。

患者さん・ご家族にとっての意味

B細胞性の白血病やリンパ腫では、CD19などを標的としたCAR-T細胞療法が既に実用化されていますが、T細胞のがんに対するCAR-T療法はまだ開発途上です。日本の研究機関で生まれた技術が、日本に多い病気であるATLLの新しい治療を目指して動き出したことには大きな意味があります。

現時点では治験の開始時期などは示されておらず、実際に治療として使えるようになるまでには時間がかかります。今後の進展を見守りたいところです。

出典:国立がん研究センター「成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)などへの細胞療法開発が始動」


日本に多い病気だからこそ、日本から治療を届けたい――そんな研究者の思いが伝わってくるニュースでした。ATLLと向き合う患者さんとご家族に、一日も早く新しい選択肢が届くことを願っています。

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