米国食品医薬品局(FDA)は2025年1月21日、急性骨髄性白血病(AML)または骨髄異形成症候群(MDS)の成人および1歳以上の小児の患者さんを対象に、同種造血幹細胞移植の前処置として、トレオスルファン(製品名:Grafapex)とフルダラビンの併用を承認しました。
ブスルファンと比べた試験で全生存期間が良好
同種造血幹細胞移植では、ドナーの細胞を移植する前に、抗がん剤や放射線で白血病細胞を減らし、ドナー細胞が根付きやすい状態をつくる「前処置」を行います。前処置は移植の成否を左右する重要なステップである一方、体への負担も大きいため、効果と安全性のバランスがとれた方法が求められてきました。
承認の根拠となった臨床試験では、18〜70歳のAMLまたはMDSの患者さん570人を、トレオスルファンを使うグループ(280人)と、従来使われてきたブスルファンを使うグループ(290人)に分けて比べました。全生存期間のハザード比は0.67で、トレオスルファン群のほうが良好でした。病気別ではAMLで0.73、MDSで0.64と報告されています。主な副作用には、筋骨格系の痛み、口内炎、発熱、吐き気、むくみ、感染症、嘔吐が挙げられています。
患者さん・ご家族にとっての意味
移植は白血病を治すための強力な手段ですが、前処置の負担や合併症が心配という声も少なくありません。新たな前処置の選択肢が加わることで、患者さんの年齢や体の状態に合わせて、より適した方法を選べる可能性が広がります。小児も対象に含まれている点も注目されます。
今回は米国での承認です。どの前処置が適しているかは、病気の種類や状態、移植の方法などによって移植チームが総合的に判断しますので、気になることは担当医に相談してみてください。
移植は、患者さんにとってもご家族にとっても大きな決断です。その準備の段階から少しでも安全で確かな方法が増えていくことは、本当にありがたいことだと感じます。