国立がん研究センターは2024年1月25日、全国のがん診療連携拠点病院などの「院内がん登録」をもとに、2011年に診断された患者さんの10年生存率を公表しました。今回初めて、小児とAYA世代(思春期・若年成人)のがんについて、がんの種類ごとの生存率が集計されています。
小児の白血病は5年88.4%、10年86.2%
集計の対象は341施設・36万3521例で、全がんの10年ネット生存率は53.5%でした。小児がんのなかで最も患者さんが多い白血病については、5年実測生存率が88.4%、10年実測生存率が86.2%と報告されました。5年時点と10年時点の数字の差が小さいことから、治療を終えて5年を過ぎた多くのお子さんが、その後も元気に過ごしていることがうかがえます。
一方で国立がん研究センターは、一部の小児がん拠点病院や小児専門病院のデータが今回の集計に含まれていないことを挙げ、難しい症例を多く診る施設の成績が反映されていない可能性があるとして、数値の解釈には注意が必要だと説明しています。
患者さん・ご家族にとっての意味
小児白血病は、かつては治りにくい病気の代表とされていましたが、多施設共同の臨床研究による治療の標準化などを経て、長期生存が期待できる病気になってきました。今回の数字は、そうした歩みを長い時間軸で確認できる貴重なデータです。
ただし、これは2011年に診断された方の結果であり、その後に登場した新しい治療の効果は含まれていません。また、白血病の種類やリスク分類、年齢によって見通しは大きく異なります。お子さんご本人の見通しについては、統計の数字だけで判断せず、主治医と相談しながら理解を深めていくことが大切です。
出典:国立がん研究センター「院内がん登録2011年10年生存率集計 公表」
10年という長い時間をかけて積み重ねられたデータには、治療を乗り越えてきた多くのお子さんとご家族、医療者の努力が詰まっています。数字の向こうにある一人ひとりの日常に思いを寄せつつ、これからもさらに良い結果が出ることを願っています。
