急性骨髄性白血病(AML)の治療で寛解(かんかい)を達成したあとも、再発への不安はなかなか消えません。そんな方に、2025年4月に医学誌『The Lancet Haematology』に掲載された研究が、大きな希望をもたらしています。

637人の患者を追跡した初の臨床試験

この研究は、2012年から2018年にかけてAMの寛解を達成した637人の患者を追跡したもの。通常の経過観察を受けたグループと、3か月ごとに高感度の分子骨髄検査(MRD検査)を受けたグループを比較しました。

MRD(微小残存病変)検査とは、血液や骨髄の中にごくわずかに残るがん細胞を、超高感度な分子検査で検出する技術です。通常の検査では「異常なし」と判定される段階でも、早期の兆候をとらえることができます。

定期的な検査で生存率が50%改善

結果は明確でした。3か月ごとに分子検査を受けたグループは、通常の経過観察グループと比べて、生存率が50%改善していたのです。

その理由は「早期対処」にあります。患者がまだ体調が良く、血液検査の数値も正常な段階で再発の兆候をとらえることができれば、余裕をもって次の治療を開始できます。一方で、臨床的な再発まで待ってしまうと、緊急対応が必要になることが多く、治療の選択肢も限られてしまいます。

試験参加者の声「この検査が命を救ってくれた」

試験に参加したJane Leahyさんは、「この早期検出のおかげで、別の治療を受けてから幹細胞移植に進むことができた。あの検査が命を救ってくれた」と語っています。

研究チームはイギリスのNHS(国民保健サービス)と協力し、この検査体制を全国で標準化する取り組みを進めています。将来的には他のがんへの応用も視野に入れているとのことです。

寛解後も「諦めずに向き合う」ことの大切さ

この研究は、寛解という”ゴール”に到達した後も、継続的なフォローアップが生存率を大きく左右することを示しています。定期的な通院・検査を続けること、そして担当医との信頼関係を深めることが、回復の鍵となります。

もし現在寛解後の経過観察中であれば、担当の血液内科医にMRD検査の有無について確認してみることも一つの選択肢かもしれません。

参考:Long-term survival rates of some Acute Myeloid Leukemia patients could double with sensitive bone marrow test. ScienceDaily (2025年4月) / The Lancet Haematology

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