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米国のセント・ジュード小児研究病院とカナダのプリンセス・マーガレットがんセンターの研究チームは2025年6月27日、B細胞性急性リンパ性白血病(B-ALL)が、B細胞の成長過程のどの段階でがん化したかによって、治療の効き方が異なる可能性を示した研究成果を発表しました。成果は学術誌Nature Cancerに掲載されています。

正常なB細胞の「成長地図」と比べて分析

B細胞は、骨髄の中で未熟な状態から段階的に成長していきます。B-ALLは、その途中の細胞ががん化して増える病気です。これまでは、特定の限られた段階でがん化すると考えられてきました。

研究チームは、正常なヒトB細胞の成長過程を一つひとつの細胞レベルで詳しく調べた「参照地図(アトラス)」を作り、セント・ジュードの大規模な患者さんのデータと比較しました。その結果、B-ALLは複数の異なる成長段階から生じていることがわかりました。より未熟な段階の細胞から生じたものもあれば、より成熟した段階から生じたものもありました。研究チームは「多能性スコア」という指標を作り、これが患者さんの治療成績を予測することも示しました。未熟な段階で止まった細胞は、別の系統の細胞に変わる性質を残しており、これが薬の効きにくさの一因になっている可能性があるといいます。

患者さん・ご家族にとっての意味

研究チームは、この成果がリスク分類に新たな情報を加えるものになりうるとしています。治療が効きにくい、あるいは再発しやすいタイプを早い段階で見分けられれば、治療の強さや方法を一人ひとりに合わせて調整することにつながります。

すぐに診療が変わるものではありませんが、病気をより深く理解する研究が、将来のより良い治療を支えていきます。

出典:St. Jude Children’s Research Hospital「Timepoint at which developing B-cells become cancerous impacts leukemia treatment」


同じ病名でも、その成り立ちは一人ひとり違う――そんな当たり前のことを、科学が丁寧に確かめてくれた研究だと感じました。より多くの患者さんにぴったり合う治療が見つかる未来に期待しています。

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