2023年11月8日、国立成育医療研究センターは、京都大学、三重大学、日本小児がん研究グループ(JCCG)とともに行った小児急性骨髄性白血病(AML)の臨床試験「AML-12」の結果を発表しました。成果は11月6日に学術誌Leukemiaに掲載されています。
3年無イベント生存率63.1%、3年全生存率80.3%
試験には18歳以下のAMLの子どもたちが参加しました。最初の化学療法で抗がん剤シタラビンを大量に使う方法と、通常の量で使う方法とを比べるとともに、フローサイトメトリーという方法で微小残存病変(MRD)を測定し、再発の予測に役立つかどうかを調べました。その結果、3年無イベント生存率は63.1%、3年全生存率は80.3%でした。一方で、化学療法を強めても上乗せの効果は認められませんでした。この試験は、日本小児がん研究グループに参加する医療機関が協力して行った多施設共同の臨床試験です。
MRDが最も強力な再発予測因子に
解析の結果、MRDが再発を予測する最も強力な因子であることがわかりました。MRDとは、通常の検査では見えないほどわずかに残った白血病細胞のことです。MRDを指標にリスクを細かく分けることで、同種造血幹細胞移植が本当に必要な子どもを見極め、化学療法だけで治療できる子どもでは移植に伴う晩期合併症を避けられる可能性があります。治療成績の向上と、治った後の生活の質の両立につながる成果です。小児のAMLは、子どもの白血病の中では急性リンパ性白血病に次いで多いものの、患者さんの数は限られており、多くの施設が協力する臨床試験だからこそ得られる知見は少なくありません。
出典:国立成育医療研究センター プレスリリース(2023年11月8日)小児の急性骨髄性白血病の治療成績が向上
子どもたちには、病気を治した後の長い人生があります。必要な治療を必要な子に届け、負担をできるだけ減らそうとする研究に、心からエールを送りたいと思います。
