2024年11月、東京大学医学部附属病院の加藤元博教授らと、日本小児がん研究グループ(JCCG)が、国内医療界に大きな一歩となる成果を発表しました。全国144施設・1,800名以上の小児急性リンパ性白血病(ALL)患者を対象にした国内最大規模の臨床試験で、「世界最高水準の治療成績」と「日本全国どこでも受けられる標準治療の確立」を同時に達成したのです。

達成された治療成績

この試験(JCCG-ALL-B12)が達成した主な数値は次のとおりです。

  • 寛解達成率:98.9%(ほぼ全員が一度は寛解に到達)
  • 5年全生存率:94.3%
  • 5年無イベント生存率(再発・死亡なし):85.2%

この5年全生存率94.3%は、世界の主要な研究グループと並ぶ最高水準です。

「全国どこでも同じ治療を」

この研究のもうひとつの大きな意義は、「標準治療の確立」にあります。これまで、小児がんの治療成績は施設によってばらつきがあることが課題でした。今回の試験では、144もの施設が協力し、同じプロトコルで治療を行いました。これにより、「地方の病院でも、大学病院と同水準の治療を受けられる」体制の基盤ができたのです。

また研究チームは、患者を再発リスクに応じて「標準・中間・高リスク」の3群に分け、治療の強さを個別に調整する「層別化治療」を採用しました。効果を最大限に引き出しながら、副作用を抑えるという方針です。

Harry からひとこと

「全国どこでも同じ治療を」——この言葉に、どれだけの意味があるかを考えます。もし自分の子どもが白血病になったとき、住んでいる場所によって治る確率が違ったとしたら。今回の研究は、そういった不公平を減らしていく大きな一歩だと思います。1,800名以上のお子さんとご家族が参加し、144の施設が協力した積み重ねが、これからの子どもたちを救っていく。その事実に、深く感謝します。


参考:東京大学医学部附属病院プレスリリース(2024年11月)「小児急性リンパ性白血病の標準治療を確立」/大学ジャーナルオンライン(2024年11月)

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