「白血病になったら仕事を辞めるしかない」は過去の話
以前は「白血病 = 長期入院 = 退職」という流れが一般的でした。しかし今日、治療の進化と社会的支援の充実によって、治療を受けながら働き続ける、あるいは治療後に職場復帰することが現実的な選択肢になってきています。特にCMLのような内服薬で管理できる疾患は、投薬しながらフルタイムで働いている方も少なくありません。
白血病患者の就労に関する課題
もちろん課題がないわけではありません。白血病の種類・治療内容・個人の体力によって状況は大きく異なります。
- 入院期間の長さ:初回化学療法で1〜2か月、移植を行う場合は3〜6か月の入院が必要なことも
- 感染リスク:免疫抑制中は人混みや体力仕事が制限される
- 倦怠感・認知機能への影響:「ケモブレイン」とも呼ばれる治療後の思考力低下・疲労感
- 会社への告知の悩み:病名や治療内容をどこまで伝えるか
- 再発への不安:「また入院になるかも」という心理的ストレス
利用できる公的サポート制度
①傷病手当金(会社員・協会けんぽ加入者)
病気で仕事を休んでいる間、給与の約2/3が最長1年6か月支給されます。入院中も、退院後の自宅療養中も対象です。申請は会社経由で行います。
②就労移行支援・ハローワークのがん専門相談
がん診療連携拠点病院のがん相談支援センターでは、就職・復職に関する相談が無料で受けられます。社会保険労務士や産業カウンセラーが対応してくれる病院もあります。
③障害者手帳・障害年金
白血病による就労困難が続く場合、障害年金(厚生年金・国民年金)の申請が可能です。また、骨髄移植後などで身体機能に影響が残った場合は身体障害者手帳が取得できるケースも。
④東京都をはじめとする自治体の独自支援
東京都では「難病・がん患者就業支援奨励金」制度があり、治療しながら働く患者を雇用した企業に奨励金が支給されます(患者側のメリットとして、企業が受け入れやすくなる)。他の都道府県でも独自の支援が広がっています。
職場への告知:どうすれば良いか
告知は法的な義務ではありません。しかし、休職・時短勤務・通院のための配慮をお願いするには、ある程度の情報共有が必要です。
多くの経験者が言うのは「病名ではなく、必要な配慮を伝える」というアプローチです。「白血病です」ではなく、「血液の病気で月に数回通院が必要です。この時間帯は勤務が難しいです」という形で伝えることで、不要な先入観を避けながら必要な配慮を得やすくなります。
出展:中外製薬「おしえて白血病のコト」(https://oshiete-gan.jp/leukemia/treatment/method/work.html)、東京都「難病・がん患者就業支援奨励金」(https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/shogai/josei/nan_gan/)
Harryからひとこと:
妻が入院中、私は双子の子育てをしながら仕事を続けました。妻が退院した後の「どうやって職場に戻るか」という問題は、体の回復と同じくらい大変でした。がん相談支援センターに相談したのが本当に良かった。「一人で抱え込まないで」という言葉を、ここを読んでいる方にも伝えたいです。病院のソーシャルワーカーやがん相談支援センターは、医療だけでなく仕事のことも一緒に考えてくれる頼もしい存在です。
