日本骨髄バンクは2024年2月、口の中の粘膜を綿棒(スワブ)でこすって採取した検体でHLA(白血球の型)を調べ、登録手続きもオンラインで行う新しいドナー登録方法のトライアル(試行)を、一般の若い世代を対象に進めました。2月16日には静岡県浜松市の聖隷福祉事業団で、2月18日には読売巨人軍の那覇キャンプ会場で協力の呼びかけが行われました。
QRコードから登録し、自宅でスワブを採って返送
バンクの公開資料によると、今回のトライアル2は約200名の登録希望者を想定したものです。参加者はQRコードからオンラインで登録し、説明動画を視聴して個人情報を入力した後、届いたスワブキットで検体を採って返送します。その検体でHLA検査を行い、結果を検証する流れです。2023年8月にはバンク職員を対象とした小規模なトライアル1で基本的な流れが確認されており、今回は募集からシステムへの反映まで、実際の運用に近い形で確かめる段階と位置づけられています。
バンクはこの方法を、2026年度にドナー登録時のHLA検査として本格導入することを目指すとしています。浜松での呼びかけでは7名から登録の申し込みがあったと報告されています。
患者さん・ご家族にとっての意味
白血病などで骨髄移植や末梢血幹細胞移植が必要な患者さんにとって、HLAの型が合うドナーが見つかるかどうかは治療の行方を左右します。型の組み合わせは非常に多いため、登録者の数、とりわけ長く登録を続けられる若い世代の登録者を増やすことが大きな課題です。
採血のために会場へ足を運ばなくても、自宅で手軽に登録できる仕組みが実現すれば、これまで機会がなかった人にも登録の輪が広がると期待されます。患者さんやご家族が周囲にドナー登録を呼びかける際にも、より声をかけやすくなるかもしれません。
出典:日本骨髄バンク「MONTHLY JMDP(2024年3月15日発行)」、日本骨髄バンク「スワブによるオンラインドナー登録トライアル2」研究情報公開文書
綿棒一本から始まる登録が、どこかで移植を待つ患者さんの希望につながっていく――そう考えると胸が温かくなります。ドナー登録の新しい形が、多くの人にとって身近なものになっていくよう応援しています。
