「献血」が白血病患者を直接支えている
白血病の治療中、患者さんには非常に多くの輸血が必要になります。化学療法や骨髄移植によって骨髄の機能が一時的に低下し、赤血球・血小板が産生できなくなるためです。この輸血を支えているのが、毎日どこかで続いている市民の献血です。
白血病治療で輸血が必要な理由
健康な人の骨髄は毎日何億もの血液細胞を作り続けています。白血病の治療(特に強力な化学療法や骨髄移植前の前処置)では、白血病細胞と同時に正常な骨髄機能も一時的に破壊します。その間、患者さんは自力で血液細胞を作れなくなります。
- 赤血球輸血:貧血による息切れ・疲労感・めまいを防ぐため
- 血小板輸血:出血のリスク(脳出血・消化管出血)を防ぐため。血小板が1万/μL以下になると出血が起きやすくなる
- 新鮮凍結血漿(FFP):凝固因子の補充
骨髄移植を受けた患者さんでは、移植後の生着まで(通常2〜4週間)ほぼ毎日輸血が行われることも珍しくありません。1回の入院で数十回〜100回以上の輸血を受ける方もいます。
血液の「賞味期限」は非常に短い
血液製剤には有効期限があります。
- 赤血球製剤:採血後 21日間
- 血小板製剤:採血後 4日間
- 新鮮凍結血漿:凍結状態で 1年間
特に血小板は有効期限が4日しかないため、需要に合わせた継続的な献血が不可欠です。祝日前後や年末年始は献血者が減り、医療機関が血液不足に陥ることもあります。
日本の献血の現状と課題
- 年間献血者数:約480万人(2023年度)
- 10〜30代の若年層の献血者が年々減少している
- 日本の血液は「国内で自給」が原則(献血依存型の国際標準)
- 輸血血液の約70%はがん患者・血液疾患患者が使用しているとの推計
出展:日本赤十字社「献血の必要性」(https://www.bs.jrc.or.jp/ktks/ibaraki/donation/m2_02_01_necessity.html)、日本赤十字社「血液製剤の種類」(https://www.bs.jrc.or.jp/bc9/oita/process/m3_02_type.html)
白血病経験者が献血できるかどうか
白血病の治療を受けたことがある方は、現在の日本赤十字社の基準では献血をご遠慮いただいています(悪性腫瘍の既往は献血不適格)。サバイバーとして「恩返ししたい」という気持ちは多くの方が持ちますが、献血以外にも、周囲の人への献血啓発・骨髄バンクの広報活動などでサポートできます。
Harryからひとこと:
妻の入院中、担当の先生から「今日も輸血していますよ」と聞くたびに、どこかの献血ルームで誰かが袖をまくってくれたおかげだ、と思っていました。献血ってそういうものですよね。顔も知らない誰かの善意が、今日も白血病の患者さんを生かし続けている。私は白血病の告知を受けたときから献血を続けています(妻の病歴がある私自身は問題なく献血できます)。もし献血できる機会があれば、ぜひ一度行ってみてください。
