2023年10月24日、米国食品医薬品局(FDA)は、IDH1遺伝子変異をもつ再発・難治性の骨髄異形成症候群(MDS)の成人患者さんに対して、飲み薬のイボシデニブ(製品名:ティブソボ、セルヴィエ)を承認しました。変異の有無は、FDAが承認した検査で確認します。
18人中約4割が完全寛解
MDSは、骨髄で血液細胞が正常につくられなくなる病気で、貧血などの症状が出るほか、一部は急性骨髄性白血病(AML)に移行することがあります。イボシデニブは、変異したIDH1の働きを抑える分子標的薬で、IDH1変異のあるAMLの治療ですでに使われてきました。今回の承認は臨床試験(AG120-C-001)の結果に基づいており、再発・難治性MDSの成人18人のうち38.9%が完全寛解に至りました。観察された奏効はすべて完全寛解で、完全寛解までの期間の中央値は1.9か月でした。
輸血が不要になった患者さんも
試験開始時に赤血球や血小板の輸血が必要だった9人のうち6人(67%)が、輸血を必要としない状態になりました。もともと輸血が不要だった9人のうち7人(78%)は、その状態を保ちました。MDSの患者さんにとって輸血の回数が減ることは、通院の負担や生活の質に直結します。対象となる方は限られますが、遺伝子変異に合わせた治療がMDSにも広がりつつあることを示すニュースです。MDSには病気の進み方や血液の状態によってさまざまなタイプがあり、治療方針も一人ひとり異なります。IDH1変異の有無は遺伝子検査で調べることができます。
出典:米国食品医薬品局(FDA)「FDA approves ivosidenib for myelodysplastic syndromes」
定期的な輸血のための通院は、ご本人にもご家族にも負担の大きいものです。輸血から離れられる可能性を示したこの結果は、MDSと向き合う方々にとって明るい知らせだと思います。
