2023年6月26日、日本セルヴィエの「オンキャスパー点滴静注用」(一般名:ペグアスパルガーゼ)が、急性リンパ性白血病(ALL)と悪性リンパ腫を効能とする新有効成分含有医薬品として、国内で承認されました。
アスパラギナーゼ製剤の新たな選択肢
ALLの細胞は、アミノ酸の一種であるアスパラギンを自分でつくる力が弱く、血液中から取り込んで増殖しています。アスパラギナーゼは、このアスパラギンを分解して白血病細胞を「兵糧攻め」にする薬で、特に小児のALL治療に欠かせない薬の一つです。ペグアスパルガーゼは、アスパラギナーゼにポリエチレングリコール(PEG)を結合させた製剤で、体内に長くとどまるよう工夫されています。海外ではALLの治療に広く用いられてきた薬です。ALLの治療は、複数の抗がん剤を組み合わせ、長い期間をかけて段階的に行われるのが一般的で、アスパラギナーゼはその中で重要な役割を担っています。
患者さん・ご家族にとっての意味
一般に、体内で長く作用する製剤は投与の回数を減らせることが利点とされ、通院や注射の負担の軽減につながる可能性があります。一方で、アスパラギナーゼ製剤にはアレルギー反応や膵炎、血栓などの副作用が知られており、治療中は体調の変化に注意が必要です。今回の承認で、国内のALL治療で使える薬の選択肢が広がりました。具体的な使い方は治療計画によって異なるため、主治医の説明をよく聞いてください。なお、今回の承認では急性リンパ性白血病に加えて悪性リンパ腫も効能に含まれています。治療中に、おなかの痛みや発疹、むくみなど、いつもと違う症状に気づいたら、早めに医療スタッフに伝えるようにしましょう。
小さなお子さんにとって、注射の回数は大きな負担です。海外で使われてきた薬が日本でも使えるようになり、治療の選択肢が広がったことを喜びたいと思います。
