イメージ写真

2023年12月1日、米国食品医薬品局(FDA)は、ピルトブルチニブ(製品名:ジャイパーカ、イーライリリー)を、慢性リンパ性白血病(CLL)または小リンパ球性リンパ腫(SLL)の成人患者さんに対して迅速承認しました。対象は、BTK阻害薬とBCL-2阻害薬を含む2種類以上の前治療を受けた患者さんです。

2つの主要な薬の後に残されていた課題

近年のCLL治療は、B細胞の増殖の信号を止めるBTK阻害薬(イブルチニブ、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブなど)と、がん細胞が死ににくくなる仕組みを解除するBCL-2阻害薬(ベネトクラクス)が大きな柱になっています。これらによって治療成績は大きく改善しましたが、両方の薬を使った後に病気が進んだ場合、次に使える治療は限られていました。ピルトブルチニブもBTK阻害薬の一種ですが、従来の薬とは異なり、BTKに可逆的に(非共有結合で)結びつくタイプの薬です。そのため、従来のBTK阻害薬が効かなくなった後の治療薬として期待されてきました。

迅速承認の意味とこれから

迅速承認は、重い病気に対して有望な結果が得られた薬を早く患者さんに届けるための米国の制度で、承認後の臨床試験で効果を確認することが条件となります。治療を重ねてきた患者さんにとって新たな選択肢が加わった一方で、今後のデータの積み重ねにも注目が集まります。日本を含め、承認の状況は国や地域によって異なるため、治療については主治医とご相談ください。CLLの治療では、病気の状態や年齢、ほかの病気の有無などをふまえて薬が選ばれます。

出典:米国食品医薬品局(FDA)Oncology (Cancer)/Hematologic Malignancies Approval Notifications


長く病気と付き合うCLLでは、「次の治療があるかどうか」が安心につながります。1年の締めくくりに、治療の選択肢が広がるニュースをお届けできてうれしく思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です